自分がわからない
筆文字革命の草刈です。
長いこと筆文字を教えてきて面白いことがわかっています。
自分のやりたいことがわからない。
自分の個性がわからない。
自分の表現がわからない。
『自分がわからない』という人が世の中にはけっこういます。
でもこれはうそだと思います。
正確には『わからない』のではなく『忘れている』『わからないようにしている』というのが正しいのかなと。
というのも。
自分がわからないで生まれてきている人はいない
ということです。
あなたはこんな子供を見たことがありますが。
まったく動かず、ただじっとしていて、泣きも笑いもしない赤ちゃん
こ・こわいですよね。
赤ちゃんは、興味があったらそこに行こうと思って気がついたら寝返りして、座って、ハイハイして、立ち上がって、歩きだしています。
あなたが今歩けているということは、『歩きたい』というやりたい気持ちがあり、歩き方には歩幅やリズムなど独特の個性があり、何に向かって歩くかによってその子の表現がありました。
『自分がわからない』人なんてひとりもいなかったんです。
では。なぜ人はそれを『忘れたり』『わからないように』したりしたのでしょうか?それは。
他人との間違えた共生
ではないかと思います。
人は大きくなるに連れて、他人との共生を強いられます。でもこれは必要。他人との共生で人は何倍も幸せを感じていく生き物だと思います。
ただ。
本来なら、自分と違う、他人の持つ価値観や個性や表現と出逢い。自分は自分。他人は他人として、共生していけばいいのですが。
多くは環境によって、正しい、正しくないという正否を自分の価値観や個性や表現につけられてしまいました。
これによって、自分の本当の価値観や個性や表現を忘れたり、自分で本当は知っているけど、社会に、環境に、他人と共生するためにわからないふりをする。などとして、自分をわからなくしてしまったのではないでしょうか。
だからまずは。
自分のやりたいことを取り戻すこと
取り戻し方は色々あると思いますが、ここではやはり筆文字を使った取り戻し方をお伝えしたいと思います。
それは。
正しく、きれいに、上手に、うまく、書くことをやめて。
書きたいように、きたなくても、下手でも、自分らしく書いていく。
筆文字上での話ですが、その習慣はあなたの日常にも変化を起こしてきます。
この習慣が日常にも、正しさや上手にきれいにという選択から、自分のやりたいようにという選択の習慣に変わっていくからです。
前者は人からこう見られたいという間違えた共生で、他人にこう見られたい目線という『他人見られ目線』。
後者は他人は他人。でも自分はこれを見ていきたいというお互いの価値観を尊重した共生で、『自分見たい目線』。
日常の自分の生き方の習慣を変えることは容易ではありません。
「今から自分のやりたいようにやって生きて。」
そう言われても、頭でわかっていても体はそうは動きません。それは長年の自分の考えや価値の習慣がちがうからです。
なので。
『他人見られ目線』から『自分見たい目線』への習慣の移行が必要です。
これは、日々の生活習慣とは一旦分けて、文字を書く、そしてさらに自由度があがる筆文字をやり、自分が今どんな言葉を書きたくて、その言葉をどのような形や書き方で書きたいか?
それを面倒でも1字1字向き合っていく習慣をつけるといいです。
また。教室業や講師業をしている方は。
『他人見られ目線』で技術やテクニックを教えてみんな一緒に正しく、きれいに、上手にしていくのではなく。『自分見たい目線』でその人にやりたい、価値観、個性、表現を引き出し、それを応援していくといいと思います。
そうすることで、自分の価値観、個性、表現。自分の存在を認めていけるようになります。
そして次に必要なのが。
他人と自分との分離
これは、自分は自分の価値観、個性、表現をしていてよくて。
他人も他人が持つ価値観、個性、表現をしていいと、自分も他人も認めることです。
これは『自分見たい目線』になれば自然とできてきます。
この分離ができていないと、いつまでも自分はダメだと否定し、自分の長所を捨て、自分に足りない物を探し、本来の自分でない自分を作ろうとします。
そして、他人の価値観を否定し、他人と競走し、他人任せにして、自分がわからなくなり自分を生きれなくなります。
他人の価値観、個性、表現を受け止めてあげること。
受け入れなくていいので、受け止めていき、それでいて自分も主張をしていくこと。
それが大事だと思います。
講師業の人は、一人一人が持つ価値観、個性、表現を正解があり誰かに合わせていくのではなく、一人一人の中に自分だけの今の正解、答えがあり、それを一緒に探すお手伝いをして、そこを光らせてあげるといいと思います。
まずは。
あなたにとって『人との共生』とは何か?
自分を生きるとは?
人と生きるとは?
それに今の自分の答えをことばにしてみると、自分を取り戻してくるかもしれません。